20230903 滋賀岳連 山岳技術研修会

日時:2023年9月3日(日) 9:00〜16:00
天候:晴れ
場所:滋賀県大津市北小松 比良げんき村 人工登攀壁
参加者:N澤、S島、S根、M戸(報告者)

主催:滋賀県山岳連盟
主管:滋賀県山岳連盟 指導・技術委員会
目的:登山・クライミング技術の習得(兼 JSPO 山岳AC・SCコーチ義務研修会)

https://shigagakuren.com/wp-content/uploads/2023/07/7ae9692c57a26e2f162753b56d26735e.pdf

研修内容:「ロープワークの実践研修」
・研修1「ロープワークの基本」 理論研修〜実践
・研修2「懸垂下降の習得・実践」 3種類の懸垂下降の実践
・昼食・休憩
・研修3「懸垂下降のロープスルーの実践」
・片付け・解散

<研修の模様>
滋賀山岳連盟主催の研修会で、八日市山の会から今回は、N澤さんとS島さん、S根さん、M戸の4名が参加したので報告する。
当研修会には我々以外にも滋賀山岳連盟に所属している各山岳会から参加があり、総勢13名での開催となった。M戸は、滋賀県山岳連盟の立場では、指導・技術委員会に所属しており、スタッフ並びに指導者として参加した。

研修1「ロープワークの基本」理論研修〜実践
主任講師より、JMSCA教本「UIAA総合登山技術ハンドブック」を基に、今回研修内容の一通りのオリエンテーションと一部、終了点での下降セットについて実地の確認を行った。ちなみに「UIAA総合登山技術ハンドブック」は2022年度に頒布終了となっており残念ながら現状は入手できない。

オリエンテーションの模様
外は猛暑でピーカン!暑い!!

2022年に頒布終了で絶版となった教本
クライミング技術の貴重な情報が掲載

 

研修2「懸垂下降の習得・実践」
次に人工登攀壁の最上部へ上がり、支点構築しマスターポイントの安全環付カラビナにロープを通し、懸垂下降の準備を行った。そのあと、複数人が効率よく連続して懸垂下降する方法について、主任講師から説明がありその後実践となった。

懸垂下降用のロープをダウンしセット
セットのノウハウについて様々説明があった

 

まず、リーダーが先頭で降りられるようにバックアップ懸垂でセットし、その後のメンバーも連続して簡易懸垂でセットし、リーダーが全員の安全チェックを行う。先頭のリーダーが降りた後は、順次降りて行く。そうすることで一人一人がセットする時間が短縮できるのと、慣れていないメンバーも安全にセットし降りることができるので、実践で役立つ技術だと思う。

全員が懸垂下降をセットし、リーダーが安全確認している所

懸垂下降直前の模様
TOPで降りるリーダーと
セカンドで降りるリーダーは
壁の中で接近する

先行パーティが全員降りた後
次のパーティも懸垂下降セットし
TOPが下降している状況

 

次は、3種類の懸垂下降方法ということで、①簡易懸垂、②ビレイ器の上にバックアップセット(上バックアップ)、ビレイ器の下にバックアップセット(下バックアップ)の3種類を実践で研修を行った。上バックアップ、下バックアップそれぞれにメリット・デメリットがある。2回下降し、それぞれで別のバックアップ方法で降り、下降途中で一時停止・保持し、そこからの下降復帰の違いを確認した。下降スピードコントロールや一時停止したときの解除のしやすさは、下バックアップが良いことがわかった。

上バックアップで懸垂下降しているところ

人工登攀壁の全容

 

研修3「懸垂下降のロープスルーの実践」
今回研修のメインイベント。ダブルロープで、長さの違うロープを結んで組み合わせた場合や、ロープが落石や岩角のこすれなどで破損し、途中結ぶアクシデントがあった時に対応できる方法を主任講師から教えて頂いた。M戸がロープスルーのデモを行ったものの、結び目上に残っているバックアップを解除する際の下バックアップから伸ばしたスリングを足に巻いて立ち込む姿勢保持に、右往左往して時間がかかった。この姿勢保持・立ち込みは、エイドクライミング(人工登攀)のアブミ乗りの技術だそうです。エイドクライミングをやっていた方であれば簡単にできると主任講師からの説明はあったが、フリークライミングがメインの私にはなかなか難しく練習必要。これは私だけではなく、研修受講した皆さん全員が難しいと感じていたようである。

M戸がデモとしてロープスルーを行っているところ
下バックアップからのスリングで立ち込むのが難しく
右往左往しているところ(笑)

他、参加者の皆さんも難儀している様子

上手くいかない参加者を心配そうに見ている
奥にいる、N澤さんとS島さん

ロープスルー実践中のN澤さん
難しかったですよね

<全般の感想>
30℃越えの猛暑での研修となったが、実践的でとても身になる内容と思った。特に、最後に実施したロープスルーの技術は、実際に発生する可能性がありそうなアクシデントから回避する技術なので、何度も練習してスムーズに作業が行えるようにしたいと感じた。

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