20221105 金毘羅山マルチピッチクライミング基礎講習

日時:2022年11月5日(土) 8:00〜16:30
天候:曇りのち晴れ
場所:金毘羅山(京都大原)
参加者:会員外1名(講習受講者)、M戸(報告者)

最近、M戸本人が知らないところで、まことしやかに「ロープを使ったクライミングをやさしく丁寧に教えてくれる人」と評判が立っているらしく(本当か笑)、ガセ情報かもわからないウワサをたよりに、会員外の方から「マルチピッチクライミング」を教えて欲しいと直接ご指名がかかりました。通常、個別で会員外の方への指導はお受けしないのですが、その方は、山の会メンバーの多くと関係が深い方でもあるので、自身に課せられた修行(笑)もとい、今回M戸が日本スポーツ協会のスポーツクライミングコーチ1資格を取得したスキルをどこまで発揮できるか、自身の可能性を確認できるありがたいお話という事で、お受けしました。

諸事情あり「マルチピッチクライミング」基礎講習の会場は、金毘羅山のY懸尾根で行う事としました。受講者の方は、ロープクライミングは全く初めてではなく、ボルダーはバリバリ登れてクライミングスキルは十分あるのと、少し前までスポートのリードクライミングのビレイをしたことあるとか、かなり昔に小川山でトップロープでクライミングしたことがあるということなので、どの辺りまでロープ操作ができるのかの確認からスタートでした。

まずはY懸尾根の取付付近でクライミング基礎講習。クライミングギヤの一通りの説明と確認から始まり、確保理論の概略を説明した上で、取付の7m上ぐらいに支点セットし、トップロープビレイ・クライミング、リードビレイ・クライミングを軽く一通りました。朝からお昼ぐらいまでみっちり時間を掛けて昔を想い出してもらいながらの技術確認でした。

午後からはマルチピッチクライミングの基礎講習で、今回、受講者の方には全ピッチをフォローで登ってもらい説明させてもらうこととしました。傾斜が緩いY懸尾根なので安全に講習できるという感じですね。まずは1ピッチ登って懸垂下降し、一通りのシステムを説明しました。説明の中で、ATCのガイドモードの使い方を初めて見たそうで、なんとなく知っていたそうですが、現物をみてなるほどと納得されていました。

Y懸尾根取付での1ピッチマルチ講習

次に上まで継続してマルチで登攀して行きました。ピッチクライミング(スタカット)、サイマルクライミング(コンティニュアス)を織り交ぜながらになります。マルチあるあるの課題として、コールが聞こえないハプニングがありました。事前に合図を決めていたので特に問題は無かったのですが、谷筋に入るとコールが聞こえにくくなる状況が発生しうる可能性があるという事や、想定して事前に合図を決めるのも大事ということを実感して頂いたようです。また、受講者の方は極度の高所恐怖症とのことだったのですが、マルチのフォローでは、ロープが繋がっていて、高所でもとても安心して楽しく登れましたと言ってもらったのは良かったです。

歩いても登れるY懸尾根をマルチピッチクライミングで

Y懸の頭手前の眺望の良いところで

Y懸の頭での終了点構築をなにげに撮られていました〜
安全環付変形D形カラビナが逆に装着できていたら100点!!(笑)
自分で言うなって(笑)

Y懸の頭に到着し、バックアップ懸垂と簡易懸垂下降を練習しました。受講者の方は、昔良く使っていたエイト環では懸垂下降したことはあったとのことですが、ATCを使った最新の懸垂下降の方法は初めてだったらしく、特にバックアップ懸垂を何度も練習していました。

Y懸の頭での懸垂下降用のマスターポイントをセット中のM戸
ヲイヲイ、セルフビレイしようよ(笑)
この後ちゃんとセルフビレイしてセット作業してますよ〜

バックアップ懸垂下降を練習している受講者
日が落ちるのが早いです

簡易懸垂で下降中の受講者
ATCで行うときはエイト環のやり方とは少し違います

受講者の方は、今回、ご自分にマルチピッチクライミングは向いているか確認するのが目的でしたが、楽しくモチベーション高くやっていけそうな感じとの事でしたので、目的は達成できたのではと思います。なんとかまぁ良かったです笑。コーチスキルが発揮できたかな?
これからの寒くなる冬期はパスするとのことで、次回は温かくなる春頃に、今度は北尾根をマルチピッチで、それもリードで上ってもらうよう段階を踏んで講習させてもらおうと思います。

 

ちなみに、交通費等の必要経費は出してもらっていますが、ほぼボランティアみたいな感じでさせてもらいました。山岳ガイド業やクライミングインストラクター業のプロではないので笑

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