20201002-03 剱岳源次郎尾根縦走

日時:2020年10月2日(金)〜3日(土)1泊2日、山域:北アルプス 剱岳源次郎尾根
参加者:K会長、M戸CL(報告者)
目的:剱岳源次郎尾根の春山合宿下見と登攀

行動記録
1日目:10月2日(金)、天候:晴れ
立山駅 始発 〜(立山ケーブルカー)〜美女平〜(立山高原バス)〜立山室堂着
立山室堂9:00発 → 雷鳥沢キャンプ場 9:35着 → 剱御前小舎 10:35着 (小休止) →剱沢キャンプ場 11:18着 (大休止と警備隊へ状況確認) 11:35発 → 剱澤小屋 11:41着 →平蔵谷出合 12:30着 → 雪渓を越え源次郎尾根取付 13:50着 (小休止) →源次郎尾根Ⅰ峰下部のコル 15:25着 (小休止) → 源次郎尾根Ⅰ峰 16:25着 (小休止) →源次郎尾根Ⅱ峰 17:05着 → 懸垂下降しⅡ峰コル 17:36着 → 剱岳山頂 18:36着
剱岳山頂でツェルトビバーグ

2日目:10月3日(土)、天候:晴れのち曇り時々晴れ
剱岳山頂 6:15発 → カニの横バイ 6:32着 → 平蔵の頭 6:48着 → 前剱 7:20着 →一服剱 7:58着 → 剣山荘 8:23着 (小休止) → 剱澤小屋 8:52着 →剱沢キャンプ場 9:00着 (大休止) 9:20発 → 剱御前小舎 10:05着 (小休止) →雷鳥沢キャンプ場 11:15着 (小休止) 立山室堂 12:08着
立山室堂〜(立山高原バス) 〜美女平〜(立山ケーブルカー)〜立山駅  下山

所感
K会長とM戸の二人で剱岳源次郎尾根のバリエーションルートを登ってきました。1日目は、天候&時間的に可能であれば、源次郎尾根Ⅰ峰上部の成城大ルートを登攀することで計画しました。(ルート取付きへ14:30までに到着できれば登攀)
室堂から劔沢へはハイペースでコースタイムより早く行動できました。途中の雷鳥坂後半でK会長から「M戸CLにはしごかれるよ!!」と思わぬ悲鳴があがるほど。剱沢キャンプ場にはかなり早い11時18分に到着し、なんとか登攀が視野に入ってきました。

紅葉の雷鳥沢

剱御前小舎から剱岳を撮影しているK合会長

剱沢キャンプ場で山岳救助隊員に平蔵谷出合の雪渓状況を確認すると、雪渓の崩落が進みシュルンド(クレパス)が開いていて雪渓が薄いところも多く、通行を勧めないし自己責任でと忠告。ツアーガイドは現地を確認した上で全て撤退したとのこと。また、成城大ルート登攀も時期的に日の短い今の時期は遅すぎる(通常は夏の時期)とも指摘がありました。私達のパーティも状況によっては、登攀はおろか源次郎縦走すら撤退もあると覚悟して取りあえず前進しました。

剱沢キャンプ場の山岳救助隊詰め所にある登山情報
平蔵谷出合の雪渓はシュルンド(クレパス)多く、源次郎尾根へは通行困難とのこと

剱沢キャンプ場からの剱岳

雪渓に到着すると、やはり崩落激しく雪渓の上を渡るのは厳しい状況でした。それでもK合会長が偵察に行き、剱沢では雪渓の無いところを渡渉し、平蔵谷では雪渓崩落箇所を歩く等、弱点をついた素晴らしいルートファインディングで、苦労しながらもなんとか尾根末端に取り付きできました。尾根末端取付きからの前半の登りは、事前情報で知ってはいたものの木の枝を縫いながらの急登の登りで、木登りか岩登りかわからないような状態で大変でした。尾根が見え始めると尾根の紅葉が見えて感動。この辺りで冬期の登攀ルートであるルンゼを確認。長い急傾斜のルンゼであることを現地確認できました。

平蔵谷出合に到着。
確かにシュルンド(クレパス)が開いて薄そうな箇所も多数

K合会長が見定めて、雪渓が無いところが渡渉できるかロープ確保しながら偵察
これが正解でした。弱点をついたルートファインディングが素晴らしかったです。

渡渉中に雪渓を確認
確かに薄いです(^_^;

源次郎尾根をある程度登ったところから雪渓を確認
大きく崩落しているところもありました

今回目的の積雪期ルートのルンゼ確認
急峻で長い登りです

源次郎尾根は紅葉真っ盛り
素晴らし景色でした

そしてⅠ峰下部にある中央バンドのコル(ルート取付の手前)へ15:25に到着。今回、雪渓通過の時間ロスが大きくルート取付き到着目標時間には間に合わず、登攀は残念ながら断念。それでもコルから成城大ルートの全容は確認できたので、今後の課題となりました。

コルから望む成城大ルートの全容

尾根縦走は終日晴れ。源次郎尾根は秋の紅葉真っ盛りで、その左側は一服剱や前剱、右側は八ツ峰や熊ノ岩等が間近に見えて素晴らしい眺望を堪能しながら登りました。K合会長と「このすばらしい景色二人占めですよね〜」と時折話ながら楽しい尾根縦走となりました。

Ⅰ峰の山頂から剱岳本峰を望む

Ⅰ・Ⅱ峰のコルへ進むK合会長

Ⅱ峰の山頂でK合会長をパチリ
背後は剱岳本峰

Ⅱ峰山頂のM戸をK会会長がパチリ
天候良く素晴らし眺望でした(*^_^*)

Ⅱ峰の山頂から望む熊ノ岩と八ッ峰

Ⅱ峰を懸垂下降しているM戸

Ⅱ峰を懸垂下降した後、山岳救助隊の方がこっそり教えてくれた(笑)ビバーグ地としてお勧めのⅡ峰のコルあたりでビバーグと思っていましたが、K合会長から「剱岳山頂まで行こう!」と一言。日が暮れて大丈夫かなと心配しつつも前進していきました。日が落ちてヘッドランプで照らしながらのルートファインディングで周囲の地形が確認しにくい中、何とか剱岳山頂へ到着すると丁度十五夜の月がはっきりと見え、とても素晴らしい眺望。

剱岳山頂から十五夜の月が幻想的でした

山頂から富山市街の夜景

二人用ツェルトを張って、K合会長と二人でツェルトの中で晩ご飯を食べて就寝。めったにない剱岳山頂での貴重なビバーグを経験しました。夜中は月夜で終始照らされて明るく、風も強くなかったので寒さは感じたものの、比較的過ごしやすかったです。それよりもツェルトを設置した床面がゴツゴツとして身体の体勢が終始悪くて寝にくかったのが唯一の難点でした。一番平らそうな場所で幕営したのですが。。。

午前4時半頃の剱岳山頂
十五夜の月と剱岳本峰の祠とツェルト

2日目は、山頂での御来光を十分堪能した後、剱や立山連峰の紅葉を楽しみつつ下山しました。

剱岳山頂からの御来光

朝日に照らされた源次郎尾根

下山前に剱岳山頂の祠でパチリとM戸

山頂から剱沢方向を望む

一服剱辺りからの剱沢

IMG_5387

雷鳥沢で衣替え途中の雷鳥に出会いました( ^ω^ )

源次郎尾根の紅葉、美しい月夜と翌朝の御来光も素晴らしく、終始バリエーションの醍醐味を感じた大満足の山行でした。

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