20231229-30 南八ヶ岳アイスクライミング

日時:2023年12月29日(金)-30日(土)
天候:両日とも晴れ、気温高め(赤岳山頂の最低気温-10℃、最高気温-1℃)
場所:南八ヶ岳(長野県)、赤岳鉱泉BC(小屋泊)
参加者:M戸(CL、報告者)、K林先生、K林(会員外、29日のみ参加)

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2024年最初の山行ブログ報告です。
1月1日夕方より石川県能登地方を中心に発生した地震で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復興がなされることをお祈り申し上げます。
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冬期シーズン初回山行は、年末1泊2日小屋泊での南八ヶ岳アイスクライミングとしました。参加者は、K林先生、そして会員外で、前回金毘羅山でのアイゼントレに参加頂いたK林さん、M戸の合計3名。但しK林さんは都合により29日のみの日帰り参加。

 

<12月29日 行程>
赤岳山荘5:55発 → 北沢ルート 堰堤広場 6:56着 → 赤岳鉱泉 8:02着 (小休止) 8:37発 → 大同心沢(大同心ルンゼ)分岐 8:40着 → ジョウゴ沢分岐 8:46着 → ジョウゴ沢F1取付8:58頃着 → F2取付 9:35頃着 → F3取付 10:40頃着 → 右俣 20mの滝 取付 10:58頃着 (Lead/Topロープでアイスクライミング) 12:50発 → (アプローチにナメ滝登攀) → 乙女の滝(30m) 13:40着→ 大滝(25m)取付 14:05頃着  (Lead/Topロープでアイスクライミング) 15:18頃発 → F3 16:14着 → F2 16:20着 → F1 16:46着 → ジョウゴ沢分岐 16:55着 → 大同心沢(大同心ルンゼ)分岐 17:00着 → 赤岳鉱泉 17:10着 小屋泊

今回山行のGPS軌跡と登攀ポイント説明

 

<12月29日 山行状況>
赤岳山荘から赤岳鉱泉へ向かう道中、3人で話し合ってジョウゴ沢へ行くことに。M戸は八ヶ岳でのアイスクライミングは初見だったので、八ヶ岳アイス経験者のK林さんや、K林先生に、ジョウゴ沢のルートファインディングとLeadをしてもらい、M戸はセカンドやTopロープで試登させて頂きました。
暖冬の影響からか、この時期にしては珍しくアプローチの積雪はほとんど無いので、アイゼンは装着せずとも赤岳鉱泉に到着。そこから20分程でジョウゴ沢F1取付に到着しました。小屋から取付はとても近くて素晴らしい(笑)。取付でアイゼンやクライミングギヤを装着して、いざ八ヶ岳でアイス開始です!!

取付には他クライマーは誰もおらず、F1は簡単なのでノーロープで登攀。アイスの感触を試すのに丁度良かったです。F2で初めてロープを出すことに。K林先生とM戸は、場合によってはアイスキャンディーも登ることもあると想定しΦ9.5mm×60mのシングルロープを装備。K林さんは、Φ8.0mm×50mのダブルロープを装備しており、3人でのピッチクライミングスタイルで登ることに。仕様が大きく違うロープの組合せはM戸は初めて。M戸がビレイし、K林先生がLeadでスタート。セカンドはM戸でサードはK林さんが登攀。結局ロープ仕様が違っても全く問題無し。

F3も簡単なのでノーロープで登攀。
そこからK林さんの案内で、右俣20mの滝へ行くことに。K林さんがLeadで登り、Topロープをセットしてもらい、K林先生、M戸が試登攀させて頂きました。

次は、K林さんが行ったことなく是非行きたいということで乙女の滝へ行くことになりました。かなり奥まで登っていくと、アプローチのナメ滝の取付き付近で他パーティに出会いました。そこから登攀すると、30mの素晴らしい氷瀑、乙女の滝に出会いました。氷柱が1本あり、ここを登攀できるか、K林さんが取付でアイスアックス叩いてみるとなんとも軽い音がする(^_^;
これは氷柱全体が登攀途中に崩落する可能性がありそうで、やばそうな感じだったので登攀は諦めて、別の沢筋の奥にある大滝へ行くこととなりました。

一旦少し降りて別の沢筋から大滝へ。大滝もK林さんがLeadしました。バーチカルの箇所やクラゲになっていたり難易度はかなり高い感じで時間はかかりましたが、安定してバッチリ登攀し、Topロープをセットしてもらいました。Topロープでは、別ルートでK林先生とM戸が登攀させてもらいましたが、かなり難しく、M戸は核心部でアイスアックス刺しが上手く決まらず一度落ちてしまいました。残念(T-T)

そうこうしているうちに、15時を過ぎてしまい急いで準備して下山開始。暗くなってきましたがヘッドランプを点灯しなくてすむギリの17時過ぎに赤岳鉱泉に到着。

K林さんは今日までなのでお別れして、K林先生とM戸は、赤岳鉱泉での小屋泊となりました。チェックイン時には既に1回目の夕食がスタートしていました。最後組の夕食とはなりましたが、ステーキ&美味しい料理とオプション購入のワインを二人で飲んで幸せな時間を過ごせました。

北沢ルートからの大同心と横岳
登山道は積雪がほとんど無い(^_^;

赤岳鉱泉のアイスキャンディー
前日からやっと営業開始となったが
西面には氷無しで部分営業

ジョウゴ沢F1を
ノーロープで登攀中のK林さん

F1を登攀中のK林先生
取付で準備中のM戸

F2に到着

シングルループとダブルロープの組合せで
3人のピッチクライミングシステムを組む

K林先生がLead climb on!
M戸がBelay on!

M戸がSecond climb on!

K林さんがThird climb on!

F3に到着
簡単なのでノーロープで

右俣へ歩く
硫黄岳稜線と青空

20mの滝をK林さんがLead climb on!
Top rope (system)をset頂く

K林先生が、Top rope でClimb on!
K林さんがBelay on

M戸がClimb on!

乙女の滝へ向かう
ジョウゴ沢の奥へ

アプローチ途中の短い滝をノーロープで

短い滝を越えると
長く素晴らしいナメ滝
奥に乙女の滝を望む

乙女の滝は素晴らしい氷瀑だったが
細い氷柱1本しかなく
アックスで刺してみたが軽い音がする〜(^_^;
登攀を断念

乙女の滝を少し降りて
別の沢筋の奥に見える大滝へ

今回の大滝トポ
(氷の状況でルート変わります)

K林さんが、Lead climb on!!
M戸がBelay on
Top ropeをset頂く

K林先生がTop ropeでClimb on
(M戸の登攀写真なし)

赤岳鉱泉の晩ご飯
ステーキと赤ワイン(*^_^*)
サラダと豚汁に御飯

小屋泊のK林先生とM戸で乾杯!!

<12月30日 行程>
赤岳鉱泉 6:30発 →大同心沢(大同心ルンゼ)分岐 6:41着 → 裏同心ルンゼ分岐 6:47着 → 裏同心ルンゼ 15mの滝 取付7:12着 先行パーティの滑落事故で待機後 8時頃スタート(M戸Lead/K林先生Lead) → (コンティニュアス) → ナメ滝 (30m) 取付 8:53頃着(K林先生Lead) → 10mの滝 9:27頃着(M戸 Lead)→ (コンティニュアス) → ナメ滝(K林先生Lead) → (M戸 Lead) → 10mの滝10:09頃着 (K林先生Lead) → ナメ滝(30m) → 小滝(8m) → 最終点 11:40着 → 大同心取付 12:15着(小休止) 12:43着 → (大同心尾根経由で下山) → 大同心沢(大同心ルンゼ)分岐 13:36着 → 赤岳鉱泉 13:40着 (小休止) 14:15着 → 北沢ルート 堰堤広場 15:15着 → 赤岳山荘 15:53着 下山

今回山行のGPS軌跡と登攀ポイント説明

 

<12月30日 山行状況>
2日目は、K林先生が以前登攀された裏同心ルンゼへ案内頂くことに。今回はツルベで、M戸はLeadデビューさせてもらう予定としました。

朝はM戸の準備がもたついて予定より30分遅れの6時30分に赤岳鉱泉を出発。最初の15mの滝には、Topで到着したものの、すぐ後から3人組の別パーティが到着しました。そのパーティは、若い女性二人と経験豊かなガイドっぽい年配の男性の構成で、ギヤは装着済みの準備万端で昨日も同じ所を登って慣れておられそうだったので先へ譲りました。

我々がアイゼンやギヤを付けて、M戸がLeadする準備をしている間に、先行パーティは、ノーロープでそれぞれが登攀開始。先に若い女性二人が苦労しながら登攀し、上のボルト支点にセルフビレイして待っていました。三人目のガイドっぽい年配の方が登っていたのを見ていたのですが、滝上の乗っ越し手前で、上部平部分にアックスで刺した箇所全体がいきなり崩落してグランドフォールされてしまいビックリしました(*_*)

その方は、幸い氷を滑りながらのフォールで大きな怪我は無かった模様でしたが、その間、後から続々とパーティが集結している状況だったので全体が騒然となりました。先行の女性2人は懸垂下降で降りてもらい、いよいよM戸がLeadする番になると、更に多くのパーティが待っている状態。多くのギャラリーに見守られて、早く登れという無言のプレッシャーを受けながら(笑)、八ヶ岳でのアイスLeadデビューとなりました。

先行パーティの方が滑落された乗っ越し前では、アイススクリューで確実に支点をセットし、アックス刺しに注意しながら乗っ越しをこなし、上のボルト支点でピッチを切って、K林先生にセカンドで登り始めてもらいました。すると、後のパーティが、痺れを切らしてそれぞれ横にある隙間のルートに、怒濤のように登ってくるではないですか!!ちっとも待ってくれない(^_^;

登攀中に落ちてきた氷が、ところ構わず後ろから登ってきたパーティに当たり、「イタッ」って文句言っとる。普通は前パーティが登り終えて安全確認してから登るんじゃ〜文句言われても知らん!自己責任で登りなはれ!と呆れ気味で八ヶ岳アイスな皆さんをみておりました、はい笑

つるべでK林先生に次のピッチを登攀してもらいましたが、他パーティは同じ所でピッチを切らずに上まで登ってピッチを切って効率よく登攀していたので、後ろの2パーティ程に抜かされてしまいました〜(>_<)

昨日のジョウゴ沢は数パーティしかいませんでしたが、今回の裏同心ルンゼには多くのパーティが来ていて非常に混み合っていて、これが八ヶ岳の週末カオスなアイスかぁと…いきなり洗礼を受けました(@_@)

前にパーティがいて、後のパーティからもせっつかれている状況で、抜かされたり抜いたりと、ひっしのパッチで(笑)確認しながらじっくりとは登らせてもらえない状況。途中でカメラを操作できるような余裕もなく、登攀中に写真はほとんど撮れ無かったです(>_<)

その状況の中でも、難しいバーチカルに近い滝の所も、落ちずに安定してしっかりLeadで登れたのが良かったです。前日にTopロープで、裏同心ルンゼよりより難しい大滝を試登させてもらっていたので、後からせっつかれて、横にも登っているパーティがいるカオスな状況でも、気持ちには余裕がありました。

最終ピッチは、M戸Leadのタイミングでしたが、裏同心ルンゼに連れてきて頂いたK林先生に感謝の意を込めて、細かくピッチを切ってビレイするタイミングに切り替え、核心部の美味しい所のLeadは小林先生へ譲り登って頂きました。

下山は、大同心取付の尾根頂点付近の開けた所まで一旦登り、小休止とチェーンアイゼンに履き替えてそのまま尾根を降りました。所々、凍結していたり雪の無い急傾斜を降りて行くのでチェーンアイゼンが丁度良かったです。赤岳鉱泉で一旦小休止を取り、赤岳山荘へ下山し帰路へつきました。

裏同心ルンゼ 15mの滝の取付に到着
ここで先行パーティがグランドフォール
M戸がLead climb onしたが
カオス状態となり登攀中写真撮影できず

ナメ滝(30m)をK林先生が Lead climb on!
前に先行パーティが second climb中
横にも別パーティがいる〜(^_^;

最終点で Follow belay中のK林先生

最終点で登攀終了のM戸
背後は南アルプスの山並み

最終点から望む大同心

大同心取付から阿弥陀岳と赤岳を望む

先行パーティがチェーンアイゼンに
履き替え下山開始
尾根上部から、左から御嶽と南アルプスと
中央アルプスそして北アルプスを一望

今回アイスを満喫し
赤岳鉱泉でノリノリのK林先生

名残惜しいが下山開始です!

アイスキャンディーは
東面のみの部分営業
まずまずの活況度合

 

<K林先生の所感>
アイスクライミングは久しぶりで道具は骨董品でしたが、氷の目を読むことやフットホールドを探しながらなんとか登りました。
アイゼンは新しい靴と相性が悪くて何度も外れて困りましたが、予備の靴紐で応急対策したところなんとか今回は乗り切れました。道具の更新は重要ですね。

 

<M戸の所感/あとがき>
M戸は、アイスクライミングを始めて4シーズン目ですが、御在所岳で登ってばかりで八ヶ岳でのアイスデビューの山行でした。八ヶ岳はさすが氷質が違う。氷が乾いおりアイススクリューを抜いても筒中の氷がすぐ抜ける(笑)

実は今回、、、1日目29日の山行途中、M戸はアイススクリュー1本とビレイデバイスを落とすハプニングを発生させてしまいました。ビレイデバイスは他パーティの方に見つけてもらいました(感謝)が、アイススクリューは見つからず。1本1諭吉以上する高級品をエエ加減なギヤ扱いで落としてはアカンなぁと、、、反省(>_<)
クライミング自体はとても楽しかったのですが、ちょっぴりほろ苦い八ヶ岳アイスデビューとなりました。

下山後数日経って思った事になりますが、、、アイスクライミングで用いるアイゼンの前爪は、デュアルポイント(2本爪)より、アイスされている皆さんがよく装備している様に、やはりモノポイント(1本爪)が使い勝手良さそうに思いました。私は縦走使用を兼ねて、ペツル製のサルケン(アイスも対応したデュアルポイントタイプ)しかもっていないのですが、足刺しが決まりにくい場面が多かったです。で、、後日、モノポイント対応の前爪アイゼンブロック(対応パーツ)を手配しました〜(笑)

またアイスクライミングへ行きましょう!

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