20221002 滋賀岳連 山岳技術研修会

日時:2022年10月2日(日) 9:00〜16:30
天候:晴れ
場所:滋賀県大津市北小松 比良げんき村 人工登攀壁
参加者:M戸(報告者)

主催:滋賀県山岳連盟
主管:滋賀県山岳連盟 指導・技術委員会
目的:登山・クライミング技術の習得(兼 JSPO 山岳AC・SCコーチ義務研修会)

https://shigagakuren.com/wp-content/uploads/2022/07/702fd7df3d1769d157f663329a12babe.pdf

研修内容:「セルフレスキューの習得・実践」

・研修1 机上講習「危急時における現場対応」
・研修2 実践研修「要救助者の搬送技術」
→単独・複数名での搬送、シートを使った搬送、背負い搬送
・昼食・休憩
・研修3 実践研修「ロープ張り込みによる要救助者吊り上げ」
・片付け・解散

研修の模様:
滋賀山岳連盟主催の研修会で、八日市山の会から今回は、M戸が参加したので報告する。
当研修会には我々以外にも滋賀山岳連盟に所属している各山岳会から参加があり、総勢12名での開催となった。M戸は、昨年度から引き続き滋賀県山岳連盟 指導・技術委員会に所属しており、スタッフ並びに指導者として参加した。

研修1 机上講習「危急時における現場対応」
主任講師の大越氏より、セルフレスキューの基本的な考えについて説明後、ディスカッションを行った。

机上講習の模様

<セルフセスキューの原則>
1.二次遭難・事故を起こさない
2.後遺症なき早期社会復帰(レスキューデスを起こさない)
3.社会インフラへのスムーズな引き渡し

<現場対応の要点確認>
1.状況把握
要救助者(要救)の状態、観察/事故状況/環境/人員/装備確認
2.安全地帯までの搬送
搬送法の実践(一人・二人・数人(手動、シート))、応急処置(ファーストエイド)、搬送方法の選択
レスキュー隊は資機材を持って来て作業するが、我々登山者は、持っているもの、周りの人員で、可能な範囲での初動対応。
3.レスキュー隊(警察や消防)、医師への引き渡し・連絡(記録)

 

研修2 実践研修「要救助者の搬送技術」

まず最初は、人員一人での要救搬送
搬送者が、倒れている要救者の横から潜り込んで、脚を引っ掛けて手を引っ張りながら、自分の背中に担ぎ入れて立ち込む。背中に担ぎ込むのにコツが必要。介護の世界でのコツを活用すると上手くいくようである。立ち上がるのは、何か捕まりながら行う。短距離・短時間搬送に向く。

搬送者は結構大変でした(^_^;
左側が搬送者、右側が要救者

人員二人での要救搬送
一人が背中から腕を回して固定し持ち上げ、もう一人が脚を持って持ち上げて搬送。危険箇所から安全地帯へ取りあえず運び出すのに向く。

要救者役はM戸

人員数人での要救搬送
まず6〜7人での搬送。両側の人員で腕をつないで持ち上げる。要救者の腰辺りに腕を入れ込むのが難しい。頭から持ち上げて運び、降ろす時は脚から。搬送経路幅が比較的広く路面が安定している場所での中距離搬送に向いている。

7人目の搬送者は要救者の頭を持つ

次は、ツェルト等のシートを使った搬送法。両端を丸めて、そこを搬送者が持って持ち上げる。両側の搬送者が腕を持ち合うより作業は格段に楽にできる。中距離搬送に向いている。

持ちあげる前にツェルトの両端を丸めているところ。

持ちあげたところ。要救者も楽そう。

次は、ザックと上着等を使って、一人で担ぎやすくした搬送法。ザックを使うことで搬送者が交代しやすく、交代することで中〜長距離搬送に向いている。

ザックの中身を抜いて搬送用に改造しているところ

担ぎ上げたところ(要救者役はM戸)

担いだり降ろすのに数人の補助は必要

研修3 実践研修「ロープ張り込みによる要救助者吊り上げ」

複数のザックに土嚢袋を入れて、人に見立てた(重さを想定した)要救助者を吊り上げて、ある場所からある場所(今回は沢を想定)へ移動させる訓練。
渡すロープや張り込むロープは、今回訓練しやすいようにセミスタティックロープ(ロープの伸びが少ないロープ)を使用。4:1システムを構築して渡すロープを張り込んだ。実際のセルフレスキュー現場は、手持ちのダイナミックロープを使う事になるケースがほとんどになるが、(ダイナミックロープは、クライマー墜落時の衝撃を少なくするため伸びる特性があり)ロープが伸びてなかなか張り込めないと想定される。

屋上テラスでアンカー構築

降ろしたロープが途中で引っかかったので
M戸が懸垂下降して修正処理

下部は木にアンカー固定し
渡したロープを4:1システムで張り込み中

要救者に見立てた重りを入れたザックを吊り上げ
目標地点へ移動させたところ

最後は、上から下へ張り込んだロープを使用して、救助者が要救者を補助しながら降ろす訓練。アトラクション的で楽しかったです笑

こんな感じで下りてます。
高度感アリアリ笑

上部では、ムンターヒッチでビレイしています。
ビレイヤーはM戸

M戸が下りているところ
びわ湖が観られて気持ち良かったです

楽しくて思わず手を振って…笑(^_^)v

おわりに:
今回は、当会の参加メンバーは、M戸のみでしたが、とても有意義な研修会でしたので、機会を設けて、この研修会の一部でも会メンバーに共有したいと思います。

 

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