日時:2022年1月4日(火) 8:30〜15:20、天候:曇り時々雪、強風(15m以上)
場所:御在所岳 藤内壁 α(アルファ)ルンゼ(三重県) ルートグレード 2級、ピッチグレード Ⅳ+(5.7〜5.8+)
参加者:M戸(報告者)、会員外1名
講師:御在所クライミングスクール 増井 行照氏(アルパインクライミングガイド協会会員 国際山岳ガイド資格 菰野山岳会会員)
http://www16.plala.or.jp/gozaisho/index.htm
行動記録:
御在所ロープウェイ湯の山温泉駅 8:30集合、15m/s以上の強風のためロープウェイ運行中止
裏道登山道登山口駐車場へ移動 → 駐車場 9:35発 → 藤内小屋 10:05着 (小休止) → 藤内沢出合 10:40着 → 裏道登山道経由αルンゼ取付 11:45着 → αルンゼ登攀開始 11:55 →3ピッチ 登攀終了 13:05 (小休止) → 前尾根を越えて藤内沢から下山(コウモリ滝、マイナス滝、藤内滝は迂回) → 藤内沢出合 → 藤内小屋 14:30着(小休止) →駐車場 15:20着
講習内容&所感
御在所にアイスクライミングのシーズン到来!!
御在所地元ガイド 御在所クライミングスクールの増井 行照氏によるアイスクライミング講習の3回目で、今回の目的は、マルチピッチのアイスクライミング練習ということでαルンゼを登攀しました。
当初予定は、ロープウェイで山上公園駅まで上がって、国見峠経由でαルンゼと三ルンゼへ行く予定でしたが、15m/s以上の強風のためロープウェイは運行中止となってしまったので、急遽予定を変更し裏道登山道からαルンゼのみ取り付くこととなりました。増井講師の車に乗り合わせて向かったのですが、冬期閉鎖しているゲートの鍵を持っておられるので、ゲートを開けて除雪されていない鈴鹿スカイラインを車で走行し裏道登山道登山口の駐車場まで移動しました。
今回行動の全体地図
今回登攀エリアの地図(拡大)
裏道登山道登山口駐車場から近くの橋上
除雪されていないのでワダチがしっかりあります
積雪の裏道登山道は初めてでワクワクしながら取付へ向かっていきました。藤内小屋では小屋の方としばし談義。小屋スタッフさんと増井講師とお客さんで新年会は大いに盛り上がったそうです。裏道登山道は、入山者が一定あるので踏み跡はあるのですが、裏道登山道からαルンゼ取付へ踏み入れている人は少なく新雪も積もっているので、膝ぐらいまでの積雪があり、ラッセルと吹雪(おそらくαルンゼが風の通り道)で少々難儀しました。参加者の会員外の方が体力ある方だったので、先頭で切り開いてもらってなんとかという感じです。
藤内小屋までの登山道
藤内小屋
正月の飾り付けがしてありました
藤内小屋を過ぎると積雪がぐっと増えます
左側に藤内壁
藤内沢出合から藤内壁を望む
無積雪期とは違った顔を見せていました
裏道登山道の前尾根P2(前壁ルンゼ)への
取付ポイントより撮影
前壁ルンゼとαルンゼ
αルンゼ取付へ到着し、手前の灌木でまず自己確保。15m/s以上と思われる強風で吹雪いており、即座の登攀準備と合間に食べ物と飲み物を押し込み、早速と増井講師がリードスタート。1ピッチ目のビレイは会員外の方で、私がセカンドという状況。ゆっくりと写真が撮れる状況ではなく、自撮りや他の方に撮ってもらう事はできなかったので、今回私が写った写真は一切ありません(笑)
1ピッチ目、増井講師リード開始
会員外の方がビレイ中
1ピッチ目は緩傾斜で、容易にアイスクライミングできる。昨年、教えて頂いたコツを思い出しながら、40m程登攀すると間もなく、いい位置での灌木で1ピッチ目の終了点。吹雪が続いており寒い。
1ピッチ目終了点より登攀箇所を望む
写真右下が登攀箇所
2ピッチ目も増井講師リードで私がビレイ、会員外の方がセカンドという状況。岩の両側に75度程度の傾斜に氷が発達しているが、今回は右側がより発達しており、そちらのルートで登攀。今回ルートの核心部だが、1ステップ毎にしっかりアイスバイルとアイゼン前爪を決めていけば楽しく登れる。前半の核心部を越えれば後半は緩傾斜になり、40m登ったところで灌木での終了点。吹雪は少し緩やかになったよう。
2ピッチ目で今回の核心部を
増井講師が登攀
核心部をもう少しで越えるところ
3ピッチ目も増井講師がリード。会員外の方がビレイで私がセカンド。ナメの間の垂直を含む小氷瀑を越えて40m登ったところの灌木で終了点で登攀終了。ロープ、ギヤをザックへ収納して、下山アプローチのためのフリー安全環付カラビナをハーネスに付けて下山準備。吹雪はヒドイ時よりは一定緩やかなったが寒くて長居はできないので食べ物と飲み物を押し込み下山へ備える。
3ピッチ目登攀スタート
下山は、トポ図ではピッチ終了点から右上から登山道へ出て、三国峠経由で裏道登山道を下るが、新雪で入山者少なくラッセルや吹雪で時間がかかる可能性もあるため、増井講師が藤内沢経由のショートカットルートを案内した。下山途中に危険な箇所が数カ所(滑落死亡事故あり)あるためルート経験者のみ下山可能なので注意。
尾根を越えて藤内沢からの下山開始
新雪が30cm程あり、根雪と合わせて
膝上まで埋まることがあり歩きにくかった
新雪が30cm程有る中で、クライムダウンや滝上での迂回トラバース(厳しいところ1箇所はロープ繋いでコンティニュアス(サイマル)でトラバース)、シリセード等を繰り返し、藤内沢出合まで1時間程、藤内小屋までだと1時間20分程の早い時間で下山できた。
急傾斜でのクライムダウン
滝上の場所から迂回トラバース
シリセードは楽しかった(笑)
藤内沢をかなり下へ降りた所で
振り向いて撮影
左側にはマイナス滝
増井講師より、今回のような吹雪く悪条件の中で下から登って取り付くような事は、通常ガイドしないが、講習参加の二人の体力やスキルから短時間行動できると判断して行ったと言って頂いて、ちょっぴり嬉しかったし楽しかったです(笑)
今回、三ルンゼで復習しようと思っていた
トップロープでのアイスでの確保方法を
帰りの藤内小屋で擬似的に練習
カラビナは本当は全て安全環付カラビナ
を使用するのであしからず。