山行日:2020年12月13日(日)
参加者: K保、H藤(Record) ※地蔵岳東稜Team:T井、Y田
行動記録:
7:45 雪彦山駐車場着 → 9:15 友人登路取付き → 11:30 登攀終了 →
13:00 懸垂下降終了 → 13:30 駐車場着
所感:
話は2週間前に遡る。
温故知新登攀を目指していたK保氏とH藤は取付きを探して雪彦さんの懐を駆け回り、挙句の果てに勘違いしたまま地蔵岳の東稜へと取付き、3P登った後に温故知新の真の取付きに辿り着くというなんとも不可思議な体験をしたのであった。
その時に温故知新を諦め、1P目が核心で5.11bというグレードを有する「友人登路」をスポーツ感覚で登ったのが今回の計画の起こりである。
時を進めよう
今回は前回の取付き巡りの成果もあることから、1h出発を遅らせてスタートとなる。地蔵岳東稜を登攀するT井氏、Y田氏と共に取付きへと向かう。
「取付きなら任せてくださいよ!!」と意気込むK保氏とH藤がプチ迷いしながら二人を地蔵岳東稜へと誘う。15min程度時間をロスしたが前回の3hのロスと比べたら誤差みたいなものだろうと妙な肝の据わり方をするK保氏とH藤。
ここでお地蔵さんTeamとは別行動となり、Team道迷いは友人登路へ。
1p目はH藤が譲ってもらう。5.11bとこれまでマルチではお会いしたことのないグレードのためフォローのK保氏がダブルザックでH藤は空身で登る。前回の試登時は問題なく突破できていたルートだが、コンディションの悪いH藤は途中ヌンチャクを掴んでレストするという失態。無念。(前進には使用していないというちっぽけな誇り) 前日にボルダリングジムでランジ+コーディネーションをしまくったせいでヨレていた アップがなかったせいだろう。準備運動は大切ですね。うん。終了点はピカピカのペツルと広大なテラスが用意されている。そしてなんといってもフォローのK保氏。そうトップロープ状態とはいえWザックでの5.11bの登攀を成し遂げてくれた。高難度のルートはフォローもただの回収だけでは成り立たないということを改めて認識できた。
2p目はⅣ+のスラブである。1p目で二人とも大ダメージを受け弱音を吐きながらの登攀。リードのK保氏はいつも通り 怖い怖いと連呼しながらもそつなくこなす。アンカーがしっかり打ってあるとはいえ確かに間隔が遠く、落ちれば大けがは免れない個所がいくつかある。
3p目は5.10bの本来の友人登路の核心ピッチ。リードはH藤。左上のランぺは非常にスリリングだがテクニカルなムーブがありとても楽しい。1pの核心を抜けたという開放感もありテンポよく登っていると突然進めなくなる。
ない。上にホールドもスタンスもない。アンダーホールドを握りしめ、完全にミーアキャット状態できょろきょろするH藤。そして面の変わった左にトラバースするのだと気づいたときには時すでに遅し。腕が限界を迎え無念のテンション。レスト後チャレンジするとスローパーで保持した先にはアンダーホールドというなんとも癖の強いトラバース。これをオンサイトするにはなかなかの経験もしくは持久力がいりそうだ。うーんこれはリベンジしにこなければいけないかもしれない。
ラストの4p目はK保氏リード。Ⅳだがここも侮れない。はじめこそスラブだが、終盤はやや被ってきてくるため、ゆっくり登ることはできない。スピーディにガバホールドを探してぐんぐん進む必要がある。最後の最後までリード、フォローともにしっかりと登れる必要があるルートだと感じた。
登攀終了後は同ルートを懸垂下降。
本来は温故知新へと繋げる計画だったが、小雨がちらついてきたため友人登路のみで終了。
それでも十分に満足できる高強度のルートであった。
付き合ってくれたK保氏には感謝である。
下山して30min程度でお地蔵さんTeamも下山。
あちらも問題なく登攀終了したようである。
今回も温故知新には挑戦できなかったが懐の深いこの山には今後何度もくることになるだろう。きっと今後増えてくるであろう会のアルパインクライマーたちやベテランクライマーたちと再挑戦したいという夢を記して今回の登攀の報告とする。