150502槍ヶ岳北鎌尾根

春山合宿、TN、OYで槍ヶ岳北鎌尾根に行ってきました。

小説「孤高の人」の舞台、北鎌尾根。ずーっと行きたいと思っていました。できれば冬に。

入会して2年目の冬合宿が北鎌尾根で、行くつもりをしていたが都合でいけなくなってしまいました。3年前の春合宿も急遽キャンセル、相棒に申し訳ないことをしました。今年やっと実現。

この時期コースは2つありますが、クラッシックで冬山のコースでもある湯俣から入りP2から登るコースを選びました。このコースだと入山口と下山口が違うので、下山してから電車、バスを使って移動しなければならない。また、取付までが核心ともっぱらの評判。正直言ってなめてました…

天気予報は1日目、2日目が晴れ、温暖、無風。3日目から下り坂。でも大崩はしないだろう、と踏んでいました。

 

1日(金) 2日(土)晴

八日市IC 20:10 → 安曇野IC 0:04 → 信濃大町駅前(タクシー会社駐車場、仮眠)5:50 →

6:40高瀬ダム登山口6:50 → 9:05湯俣 → 14:00?千天出合 → 15:00 P2取付対岸(右岸)

 

信濃大町駅前の第一アルプスタクシー駐車場で仮眠をし、翌朝タクシーで高瀬ダム登山口へ(8400円)。通常は七倉山荘までしか車は入れないが、シーズンの朝6:30から地元のタクシーのみ高瀬ダムまで入れる。登山口では4パーティー10人。北鎌2パーティー、硫黄尾根2パーティー。湯俣までは2時間強の林道、平坦な登山道歩き。途中槍ヶ岳(独標、本峰)らしきものが見えました。

DSCF6805

湯俣には晴嵐荘という宿泊施設がありますが、この時期は休業中。そこからもう4,5分歩き、変電所の横を通ると水俣川と湯俣川の合流点。左の水俣川にかかる傾いた吊橋がありそれを渡ります。この橋、ネットの下調べでは傾いていなかったような気がしますが。

DSCF6811

渡り終わったところを右に行けば硫黄尾根、左に行けば北鎌尾根。我々は左に行き、渡ってすぐのところで渡渉を試みましたが、水が冷たい。横に高巻きの踏み跡が見えているので、早々と高巻きに変更しました。ここから千天出合までが本コースの核心。川の左岸を行きます。ちなみに、河川を上流から下流(水の流れの方向)に向かって見たとき、右側を右岸,左側を左岸と呼びます。何回か高巻きをしたというか、高巻きしている方が多いくらい。踏み跡はわかりにくい、ガレ場のトラバース、腐ったロープ・支点に命を預けなきゃいけない、藪漕ぎ…、結構悪かった。

DSCF6813

 

DSCF6815

DSCF6816

千天出合の手前で左岸から右岸に渡ります。案内本には「壊れた吊橋跡」とありますが、太いワイヤーロープがあるだけ。そのあたりでなるべく渡渉しやすいところを探しました。結構悩んで対岸に小さいケルンがある地点を選び渡渉。私はサーフィン用?のゴム底の靴に厚さ2mmのネオプレーン靴下を履き、ズボンを膝までめくりました。TNは厚さ3mmのネオプレーン靴下を履き、ズボンを脱ぎヤッケの下を着ました。カッパやヤッケのズボンを着るのが正解です。

DSCF6817

渡渉してからもいやらしい高巻があったりして、沢の合流点である千天出合。そこから左の沢を進みました。P2の末端まで本では20分とありますが、40分くらいかかりました。対岸に赤テープがあるとのことですが、なかなか見つかりませんでした。胸算用では今日はP2の肩まで行きたかったのですが、2人ともヘトヘトで、ここで幕営を決定。あとでわかったことですが、渡渉をして対岸にわたればいいテントサイトがあったみたい。落ち着いて行動しなきゃいけませんね。

 

3日(日)晴れ P2取付4:30→6:30P2の肩→8:55P4→10:00P5トラバース10:45→14:20P9手前コル

昨日見当をつけていたP2取付の少し手前で渡渉して対岸に渡りました。

DSCF6821

それから尾根の急登。途中、ミスコースをし、結構危ないところがありました。約1時間半でP2の肩。

DSCF6822

 

ここからしばらく藪漕ぎ。何回もニセピークを通過してP4。尾根に出ると独標(P10、写真右)が大きく見えました。DSCF6824

独標はP10だがこれをなぜ独標というのがわかりました。他のピークと比べて明らかに大きく堂々としています。

P5は左にトラバース。ここがいやらしいという報告が多かったのですが、それほど感じませんでした。

DSCF6826

それよりトラバースを終ってから北鎌のコルへの雪壁の登りがしんどくてしんどくて。この頃すでにバテ気味。DSCF6827

背後は鷲羽とか三俣蓮華とかかな?

DSCF6831

解説本によると独標を超えると北鎌平までテント場がありません。(実は歩いてみると結構あったのですが)時間的にも体力的にも北鎌平までは無理なのでP9手前のコルで幕営決定。

 

DSCF6836

少しずつ雲が出てきました。夜天気予報を聞くと、明日は下り坂。出発前の天気予報どおり。

 

4日(月)曇り、雨

起床3:00 4:50出発 → 10:00槍ヶ岳頂上 → 16:20上高地 → 松本 → 20:00信濃大町 → 帰路

よく寝れました。夜中に雨が降ってたかな。

朝起きたら曇ってはいるものの降ってません。トレースも残っています。

時々アイゼンをつけるものの、ほとんどノーアイゼン。独標は右にトラバースせずに直登。ステップが刻んであるので楽勝。後はトレースをたどりますが、1箇所トレースどおりに進み変に下って行くので不安になり、戻って稜線通りに進みました。そしたら北鎌平。その後もトレースをたどり頂上へ。

雨の中、頂上。北鎌尾根終了。こんな天気でもやり遂げた感はあります。握手だけしてそそくさと下山。

DSCF6840

槍ヶ岳山荘で休憩し、雪渓を滑ったりして上高地へ。雨が降ったりやんだり。横尾くらいかやんだかな。

結局この日はガス、雨の中。槍の本峰は全く見えず。

 

湯俣からの北鎌尾根、やっぱり取付までが核心です。疲れました。冬なら渡渉が楽になるからいけるのかな。我々が行く数日前から連日晴天で雪解け水は多く、川は水量が多く渡渉は厳しかったと思います。

しかし、やっぱり北鎌、やり遂げた感はありました。天気のいい日に独標を抜けれなかったので、槍本峰を見れなかったことが残念です。

今年は雪が少なく、稜線上では8割アイゼンをつけませんでした。他人のトレースにも助けられましたが。

冬に行きたいと思っていましたが、そんなに甘くないかな。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です