20220605,11 シングルピッチ セルフレスキュー基礎講習

日時:2021年6月5日(日)、11日(土) 各9:00〜17:00
参加者:
6/5:K林、S島、K村、M戸(報告者)
6/11:N澤、I口、M尾、K合、W、S藤(奥村氏の研修生)、M戸(報告者)
目的:会メンバーのセルフレスキュー技術を向上させ、より高度なクライミングへ取り組むの中でリスクに備えた活動を実践するため。
会場:比良げんき村人工登はん壁(滋賀県大津市)
講師:奥村 晃史 氏(日本ガイド協会公認フリークライミングインストラクター、日体協公認SCコーチ、クライミングジムKO-WALL店長)

昨年実施したシングルピッチセルフレスキュー基礎講習を今年も開催した。
実践的な講習で1回の人数枠を絞っているので、今回も人数を振り分けて、5日と11日に2回開催。カリキュラムは、昨年と同様でマルチピッチのレスキューも視野に入れているが、メンバーのスキルを確認しながらできるところまで行う内容。(M戸は講習参加者兼スタッフとして参加)

昨年のブログ
http://yokaichi-mc.sub.jp/ymc/wordpress/?p=4650
http://yokaichi-mc.sub.jp/ymc/wordpress/?p=4746

 

比良げんき村
人工登攀壁

<カリキュラム>

<Ⅰ>基本技術

1.ノットとヒッチ

①ノット
フィギアエイトノット(フォロースルー/オンアバイト)
ボーラインノット(ヨセミテフィニッシュ)
オーバーハンドノット(シングル/ダブル/トリプル)

②ヒッチ
クローブドヒッチ/ムンターヒッチ

③フリクションヒッチ
オートブロック(マッシャー)/クルムハイスト

2.アンカー構築

①スリングの素材特性

②フィックスドアンカーを使ったアンカー構築
1)固定分散(エイト・クローブドヒッチ)
2)流動分散(スライドX・クワッド)

③ナチュラルプロテクションを使ったアンカー構築

3.ビレイデバイスの使用の仕方

①アパーチャータイプ/オートアシストブレーキタイプ(GriGri)

4.仮固定
①カラビナミュール
アパーチャータイプ/オートアシストブレーキタイプ(GriGri)

5.懸垂下降
①バックアップ懸垂

6.登下降

①登下降
1)フリクションヒッチ
2)オートアシストブレーキ

<Ⅱ>シングルピッチのセルフレスキュー

1.ビレイヤー脱出

①アンカー固定脱出/ビレイヤー交代

2.トップのセルフレスキュー(キャッチからカウンターラペル)
①オートアシストブレーキ/ガイドモード/ビレイ器入れ替え

<Ⅲ>懸垂下降のセルフレスキュー

①下降からの登り返し(下降モードからガイドモードへの入替え)
1)フリクションヒッチ
2)ガイドモード

<Ⅳ>マルチピッチ基礎技術

①アンカー構築

②セカンドのビレイ法
1)デバイスへのセットの注意事項とロープワーク
2)セカンドのリリース(コキコキ/解除)
3)ロープのロック時の解除(倍力を使った解除)

*この中から参加者の様子を見て出来るものを実施

<講習状況・所感>
講習の最初に奥村講師から、セルフレスキューについての説明があった。
「私達クライマーが行うセルフレスキューというのは、警察や消防、山岳救助隊等のようなワークレスキューを行うということではない。私達クライマーは、非社会(インフラが整っていない)地域に立ち入って活動している。私達に事故が発生した際、ワークレスキューへスムーズに引継ぎ、要救助者を病院などの社会インフラへいち早く届け、可能な限り社会復帰できるよう手助けすることがセルフレスキューであるとのこと。クライマ−は、より高いグレード、すなわちリスクがより高いルートを目指すには、これらセルフレスキューが行えることが必携であり、昔の山岳会ではセルフレスキューが一通りできないとクライミングをさせてもらえなかったぐらいである。」との説明があって気が引き締まった。

今年は、基本技術(パーツの技術)は一定できているものとしてウエイトは下げて一部補足をしながら照会程度とし、パーツを組み合わせての応用技術にウエイトをおいての講習として頂いたので、シングルピッチでのセルフレスキューでのカリキュラムは、なんとか全て行う事ができた。昨年、キャッチからのカウンターラペルは、デモンストレーションでしかできなかったが、今回は一部ではあるが参加者同士で練習することができるまで進められたのが収穫。

いざという時の備えではあるものの、講習内容をしっかり復習し、会の少なくとも主要メンバーはスムーズにできるようにすることが今後の課題である。来年は、マルチピッチでのセルフレスキュー講習が行える様にしていきたい。

2回目に飛び込み参加された、奥村講師の登山学校研修生のS藤さんもセルフレスキューのインストラクターとしてのスキル向上が図れたようでなにより。

 

<6/5の模様>

可動壁の裏で、パーツ技術の講習

可動壁面で組合せた技術の講習

キャッチからカウンターラペルによる
トップクライマーレスキュー

<6/11の模様>

ロープワーク講習

可動壁裏で、パーツ技術の講習

可動壁、固定壁で
組合せた技術の講習

奥村講師からの説明

奥村講師デモンストレーション

可動壁裏で黙々と練習していた
M尾さんを皆でみつめる(笑)

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