20220319 ビレイヤー養成講習会

日時:2022年3月19日(土) 10:00〜16:00
天候:曇り時々雨
会場:大津市北小松 比良げんき村 クライミングウォール
参加者:K林、K保、M戸(報告者)
主管:滋賀県山岳連盟 スポーツクライミング委員会
講師:佐原氏(JMSCAスポーツクライミング部技術委員会常任委員)
目的:2025年秋 滋賀県開催の国体スポーツクライミング競技に向け、ビレイヤーのスタンダードを養成する。
講習会内容:競技会においてビレイヤーに求められることを講義と実技から学ぶ。主な実技は、クライミングウォールの外壁を用いて落下するオモリを「制動ビレイ(ダイナミックビレイ)」する。制動時の荷重を計測し評価する。

比良げんき村クライミングウォール

講習会の模様:
目的に記載の通り、2025年滋賀国体に向けてのビレイヤー養成講習に、八日市山の会から3名が参加した。他に滋賀県山岳連盟に所属する山岳会からも多数参加があった。

まず講義では、①ビレイヤーの目的、②クライミングにおけるビレイヤーの役割、③ビレイヤーが求められる能力、④大会のビレイで求められること、⑤墜落の停止に関する理論、⑥道具に関して、⑦ビレイデバイスのセット、⑧ビレイ操作、⑨クロスチェック、⑩ビレイヤーのバックアップをわかりやすく学んだ。

実技は、まずハーネスへのロープ結束からチェック。
タイインループ(タイインポイント)へのフィギュアエイト・フォロースルー(ダブルフィギュアエイトノット)の結びが正しくできているか、末端処理のダブルオーバーハンドノットもできているかのチェックと、チェックの仕方を確認した。

ハーネスへのロープ結束を改めて確認

講師が受講者へ結束チェック
意外と間違いが多いとのこと

次は、可動壁の下部で「制動ビレイ(ダイナミックビレイ)」と「固定ビレイ(スタティックビレイ)」でのロープへかかる荷重の差(クライマーへかかる衝撃力の差につながる)をばね計りで計測し、「制動ビレイ」の方が荷重が少ないことを目視で把握した。

ビレイの仕方でロープにかかる荷重が
変わることをばね計りで確認

次は、可動壁の下部でロープ結束とビレイした状況から、5〜6mの高さにクライマーがロープをクリップしてから墜落し、「制動ビレイ」の制動距離でクライマーへの衝撃力が変わることを確認した。

講師による制動ビレイのデモンストレーション動画

BelayerTraining02

参加者の制動ビレイ動画
意外と制動ビレイがしっかり
できていないんですよね〜(^_^;

次は、今回のメインイベント。固定壁を用いて、落下する約46kgびオモリを長い距離「制動ビレイ」して、安全に下へ降ろす実技を実施。

固定壁の下でビレイ待機し
予告なくオモリを落下させて
「制動ビレイ」し、下まで降ろす。

BelayerTraining03

講師によるオモリ落下での
制動ビレイのデモンストレーション動画
下まで降ろすデモのつもりが
ちょっと足らなかったみたいです〜

BelayerTraining04

参加者によるオモリ落下の制動ビレイ動画
講師の動画では簡単そうに見えますが
「制動」し続けるのがかなり難しかったです。

最後は、ビレイヤーのバックアップを実技で習得。大会では、ビレイヤーの突如のトラブルの際でもクライマーに怪我をさせないようバックアップ要員を必ず置いている。その所作について実技で学んだ。

講師とスタッフによるビレイバックアップの
デモンストレーションの模様

BelayerTraining05

講師とスタッフによるバックアップの
デモンストレーション動画

所感:
ビレイについては、これまで様々な場で学んできましたが、今回、新たな観点で経験をさせて頂いてビレイ技術の深さを改めて知ることができました。ビレイによるロープにかかる力を実際に計って理論と同じと確認ができましたし、クライマーに見立てたオモリを落下させ躊躇なく「制動ビレイ」を実技で経験でき、日頃、如何に制動ビレイが十分ではなかったのかを実感できました。「制動ビレイ」奥が深くてなかなか難しいです。
今回、競技会のビレイヤー養成が目的ですが、それに限らないビレイヤーに必要なスキル習得の場だったと思います。今後もビレイ技術により磨き高めていきたいと感じましたし、今回学んだ内容を会のメンバーにも伝え、会全体の技術レベルのより一層の向上につなげていきたと思います。
ちなみに、オモリを落下してビレイを評価するシステムは、今回は講師の方が持ってこられたものですが、滋賀県山岳連盟でも同じシステムを用意するとのことなので、機会があれば会メンバーにも経験してもらえたらと考えています。

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