山行日時:2020/10/03(土)5:00-18:00
参加者:T井、H藤(記)
行動記録:
5:00 中尾高原口駐車場発→7:30 見張り塔からずっと取り付き→10:30 大洞穴→15:00 登攀終了→18:00 下山(牧中沢経由)
感想:
「見張り塔からずっと」
なんと魅力的なルート名だろうか
錫杖岳頂上へ行けるというのも素晴らしい
T井氏を誘い、いざwatchtowerへ!
行きの車内 モチベーションを上げるため
ことあるごとにボブ・ディランの
「All along the watchtower(見張り塔からずっと)」を流すH藤
ときどきジミヘンverもまじえながら…
駐車場にて仮眠をとった後、夜明け前から行動開始
ロングルートのため、時間切れによるビバークも十分にありえる
ビバーク装備は持っての登攀だが
T井氏とH藤の見据えるゴールはひとつ
「今日中に帰って家でビールを飲む!」
そのためのヘッドランプスタートである。
甲斐あって計画より早い7:30には取付きに到着
取付きは注文の多い料理店と目と鼻の先の
北沢大滝横からである
多くの人で賑わう前衛フェースとは異なりとても静かな場所である
到着時に登って行く人影が見えた
どうやら先行パーティーがいるようだ
優しげなスラブに安心感を抱きつつ
登攀準備を始める
この後のことを考えると出来るだけ時間の貯金は作っておきたい。
【1P】リード:H藤
何故か濡れている滝直下に引き寄せられる
H藤 いやいやこれは5.6じゃない!!と思い直し、乾いたスラブへ
素直な心 大事です
【2P】リード:T井氏
「あってますか、これ?ほぼ歩きですよ?あってますか?」と言い残して正しいルートをとるT井氏 頼もしい限りだ
【3P】リード:H藤
Ⅳのフェース 下部核心
フェースを抜ければ歩きに等しいスラブ
一転して
「プロテクション取らせて下さいよぉ〜」と情けない言葉を清々しい秋空の下響かせるH藤
【4P】リード:T井氏
易しいスラブだが
いよいよ残置ハーケンも終了点も
なくなりオールNPとなる
【5P】リード:H藤→T井
ここ50mじゃ1ピッチでいけやしない!
仕方なしに適当な場所で肩絡みでT井氏を引き上げリードを交代して終了点へ
ふと周りを見ると日本離れした壮大な景色
前のパーティーが英語でコールを飛ばしているため気分は完全に外国の山!
テンションが上がり世界観に入り込んでみる
H藤「Climb ON!」
T井氏「えっ?」
…すいませんでした。
気をとりなおして大洞穴までの歩き
ルーファイはやや戸惑うがトポを読めば大ハズレはない
大洞穴へは一時間巻いて10:30到着
ここで先行パーティーに追い付き
核心の登りをじっくり見学
海外の方と女性のコンビ
英語のコールが痺れるほどかっこいい
中でも
リード「belay off!」
フォロー「○○!(名前)belay off!」
リード「thank you!」
の掛け合いはもはや芸術
じっくりと堪能させていただいて【7P】リード:H藤
ここはカム使いすぎ注意
洞穴横のクラックを登りきってもフェースが続く
【8P、9P】リード:H藤
暫し先行パーティー待ち
英語のコールを楽しんでいると何やら少し問題が起きた模様
海外男性「p◎▲☓!!(多分フランス語)」
リード女性「what!?」
海外男性「p◎▲☓!!(多分フランス語)」
リード女性「what!!?」
海外男性「はぁ…ショウガナイ(ボソッ)」
T井&H藤「!?!?」
不意の流暢な日本語に思わず大爆笑
そのまま彼はフォローで登って行きました
8Pを越えると広大なスラブへ
ロープ一杯まで伸ばして9Pを繋げる
【10P】リードT井氏
ここまでくればゴールは目前だが草付きのためルーファイが難しい。しっかりと最終ピッチの目処をつけてピッチを切る必要がある
【11P】リード:H藤
いよいよ最終ピッチ
手頃なクラックを辿ってピークへ!
抜けた瞬間の達成感と景色は行かねばわからない
ロープを外して錫杖のピッケル経由で
牧中沢経由で下山
下山道はテープが豊富のため迷う心配はない
なんとか予定どおりの18:00頃には下山できた
帰路もあるためノンアルビールで祝杯!
達成感と楽しさに満ち溢れた山行となった