日時:2024年8月10日(土)〜12日(月・祝)
場所:剱岳 八ツ峰 (上部) 縦走
参加者(敬称略):M戸(CL/報告者)、M尾、N澤、I関
今年の夏山はどこへ登りに行こうか?
昨年は槍ヶ岳だったので剱岳エリアで考えていました。一昨年は源次郎尾根縦走でしたが参加予定だったK林先生からのご提案で八ツ峰の上部を縦走としました。新人I関さん参加ということで難易度的に心配はありましたが、事前の参加者打ち合わせで、K林先生は過去に八ツ峰縦走の経験があり、上部であればこのメンバーで充分行けるよ〜と軽くおっしゃって頂いたのとアルパインクライミングではないということで、全員お気軽に考えていました。しかし直前にK林先生が怪我で行けなくなり、パーティ全員 八ツ峰が初見となったことで、こんなハードな山行になろうとは。。。。

(2日目の北方稜線〜剱沢はGPSデータ無)

(2日目の北方稜線〜剱沢はGPSデータ無)
<行動記録>
ー1日目(8月10日)ー
立山黒部アルペンルート 立山駅 6:20発 → 立山室堂 7:30着(出発準備)
立山室堂 7:44発 → みくりが池 7:57着 → 雷鳥沢キャンプ場 8:25着(小休止) → 浄土橋 8:40着 → (雷鳥坂経由) → 剱御前小舎 10:36 (休憩) 10:57発 → 剱沢キャンプ場 11:42着
彦根ICに集合し1台に乗りあわせて立山駅駐車場には、夜中1時半過ぎには到着したものの、駅前駐車場は既に満車。少し離れた登山者駐車場に駐めて仮眠し、4:30過ぎに立山駅のチケット売り場へ並びに行くと数パーティが既に並んでいて混みそうな予感。後から続々と並び始めたものの、何とか始発のケーブルカーに乗れて立山室堂を予定よりもかなり早く出発することができました。


雷鳥坂の長い急登では、新人I関さんが歩荷に慣れておらずへばり気味で共同装備を他メンバーが振り分けて持つことに。私は少し持ちましたが、N澤さんとM尾さんはもっと重たい荷物を持ってもらいガシガシ登っていました。お二人の歩荷力はスゴイと改めて関心しました。

剱御前小舎に到着すると、立山・富山市街地方向に素晴らしい雲海が見られました。残念ながら剱岳はガスっていて全容見られず。


剱沢キャンプ場に到着してテント設営した後、剱沢雪渓の状況を事前調査しに行こうと思っていましたが、多くの荷物を歩荷して頂いたM尾さんが脚を攣ってしまい、しんどそうだったので断念。山岳警備の登山道状況の掲示板を確認して剱澤小屋でお酒購入後に乾杯する等ゆっくり過ごし、I関さんが作った具沢山のドライカレー等の晩ご飯を美味しく食べ明日への鋭気を付けて早々に就寝しました。



平蔵谷出合〜長次郎谷出合間は雪渓崩落で雪渓伝いの通行不可
長次郎谷は1・2峰間ルンゼ付近は雪渓崩落で高巻き要


ドライカレーとサラダ&スープ


ー2日目(8月11日)ー
2:30起床 剱沢キャンプ場 4:02発 → (途中 I関さん忘れ物待ち) → 平蔵谷出合 6:00着 → 長次郎谷出合 6:24着(アイゼン装着) → 1峰取付 7:04 → 1・2峰間ルンゼ付近 右岸高巻き(7:15〜7:50) → 右岸バリエーションルートから上部雪渓取付 8:20着(小休止) 8:25発 → 5・6のコル下部取付 9:05着 → 崩落多く慎重に登攀し安定位置で休憩 9:30発 →
5・6のコル 9:50着 (小休止) 八ツ峰縦走10:03発 → 6峰Cフェース付近 11:30 → 6峰Dフェースの頭辺りの懸垂下降ポイント12:20着 (懸垂下降) → 6・7のコルへの懸垂下降ポイント 12:50着(懸垂下降) → 7・8のコルへの懸垂下降ポイント 13:20着 (懸垂下降) → クレオパトラニードルのコル 14:18着(この辺りで迷って悩んで。。。) →チンネ山頂下の懸垂下降ポイント 14:50着 (懸垂下降後に休憩) 15:25発 → (池ノ谷ガリー経由) →
池ノ谷乗越 16:34着(休憩) 16:44発 → (北方稜線経由) → 長次郎のコル 18:00頃着(小休止) → 剱岳山頂 18:40着 (小休止) → 剣山荘 22:50頃着(小休止) → 剱沢キャンプ場 0:15着
計画通り、4時に出発。15分程歩いた所でI関さんが軽アイゼンをテントに忘れた事がわかって取りに行くアクシデントがあり途中で1時間程待って再スタート。待っている間に八ツ峰縦走と思われるパーティが数パーティ追い抜いていき、前後に他パーティは誰もいない状況でハードな山行になる予感(^_^;

もう上まで登っている!!


左は剱沢雪渓
長次郎谷出合までの雪渓の一部が完全に崩落していて、その間はロープやクサリがある高巻きルートで少し時間がかかりました。長次郎谷出合で軽アイゼン装着し雪渓を登り続けるルートへ。I関さんはアイゼンを装着した登りに慣れていないようでペース上がらず。途中雪渓が大きく崩落して高巻く箇所がありました。登山道ではなく整備はされていないので安全に高巻くルートファインディングに時間がかなりました。雪渓と岩の開きが一番狭い箇所を見つけ出し、雪渓から岩へ飛び移ることになりました。それでも誤って落ちると怪我だけでは済まなそうな感じだったので、念のためロープを出して安全を確保して高巻き。そこから、人が歩いた跡の薄い道をたどって、上部の雪渓に再度取り付いて雪渓歩きを再開し前進しました。
そして雪渓から5・6のコルの下部取付へ。

高巻きポイント

軽アイゼン装着


別パーティが前進

高巻きポイントへ



あ〜しんど
その後、雪渓を歩きながら、5・6のコル下部に取り付くルートファインディングにも苦労しました。地図で地形を読みつつGPSで現在地を確認しながら取付場所を探していましたが良い場所が見つからず。結果的に想定していた取付点よりもかなり上で取り付くこととなり、ガレ場で、歩くたびに簡単に岩が崩落する場所を選んでしまっていました。M戸が先頭を登っていて、大きな岩を何度も落としてしまうアクシデント。後続のメンバーの中には、軽い打撲で済んだものの落石が身体をかすめて当たってしまうメンバーがいて申し訳けないことをしました。M戸が安定した場所まで登りきるまで、安全な下の場所で待機するように指示ができていなかったことが大きな反省点でした。

足場はガレていて、非常に不安定な所を登ることに

ここも足場はガレて良くなかった
5・6のコルから八ツ峰縦走のスタート地点は、ガバっていてクライミング難易度は高くないものの、落ちると大変なことになりそうな岩肌で、且つ今回はクライミングに慣れていない新人が参加しているので、念のためダブルロープ使ってリード登攀することとしました。ダブルロープは、1セットしか装備していなかったので、途中から1本使いに切り替えて2パーティに別れて登攀。3ピッチを登った所でコンティニュアス(サイマルクライミング)に切り替えて登攀。Cフェースを越えた辺りで安定してきたのでロープを外して歩いて行くことに。
改めて考えてみると、マルチピッチクライミングできるようなスキルがあればロープ確保は不要な難易度だったと思いますが、クライミングに慣れていないメンバーがいれば、やはり最初はロープ確保必要と思いました。

最初にリード登攀時のM戸

登攀中のI関さん

奥は北方稜線

Cフェース登攀してますね〜

ロープ外して縦走
その後はルートファインディングがとても難しかったです。トポでは懸垂下降ポイントは2箇所と記載ありましたが3箇所ありトポとは少し違っていて、GPSデータや磁北線地図も全員で確認しながらでしたが途中から良くかわからなくなってしまいました。本来は7・8のコルから8峰の頭を登って懸垂下降で池ノ谷乗越へ到着するルートだったのですが、その手前の7・8のコルで右側の迂回ルートに降りて前進し、本来のルートとは違うクレオパトラニードルのコルに迷い込んでしまいました。悩んだあげく、M戸が4年前にチンネ登攀した際に使った、チンネの頭下の懸垂下降ポイントから懸垂下降し、池ノ谷ガリーを登って池ノ谷乗越へ到着するルートを選択。上手くはいったものの、池ノ谷乗越には16:34着。当初計画から4時間以上到着が過ぎていました。

背後にはチンネ

素敵なN澤さん

登攀パーティ

右にはクレオパトラニードル

奥の岩場が、8峰の頭でした
ここを登らず、間違って右下の
迂回路を進んで行きました(^_^;

M尾さんとM戸

池ノ谷ガリーへの
懸垂下降ポイントへ
トラバースしながら前進

ここから北方稜線
北方稜線では、途中スマホのバッテリーが少なくなったので山アプリは停止し、GPSデータ取得を止めました。(ですので、地図図途中からルートが描かれていません。。。)北方稜線からの景色はとても素晴らしかったのですが、バッテリー消耗を考慮して撮影回数を減らしてあまり取れてなかったのが残念です。北方稜線のルートファインディングは、M戸は以前に登った経験から、迷わずスムーズに前進できました。

登攀者がいる

雲海が素晴らしい


剱岳山頂に到着時は日の入り直前で、雲海と夕日がとても素晴らしかったです。今回アクシデント多く厳しい山行でしたが、この景色が観られただけでも、とても幸せな気持ちになり満足でした。

アーベンロートが素晴らしい!!

達成感はハンパない


剱岳山頂からの下山では、M戸は高山病気味だったようで剱沢へ降りるまでは息が上がってしまい、またM尾さんの脚が攣りそうなリスクが出てきてペースが上がらず、剣山荘まで倍の4時間かかってしまいました。そこから剣沢キャンプ場へはまさかの道迷い。真っ暗で何もわからない。。。途中ビバーグすることも考えましたが、N澤さんが執念でテン場を探し当てて下さり、お陰様で無事に到着できました。
20時間を越える長時間に渡る厳しい山行となりましたが、事故無く無事に帰って来られたことが一番の成果だと思いました。(M戸にとっては4年前のチンネ登攀よりかなりマシでしたが。。。)
ー3日目(8月12日)ー
5:30起床 剱沢キャンプ場 7:45発 → 剱御前小舎 9:01着(小休止) → (雷鳥坂経由) → 浄土橋 10:23着(小休止) → 雷鳥沢キャンプ場 10:38着→ みくりが池 11:41着→ 立山室堂 11:57着
立山黒部アルペンルートで立山室堂から立山駅へ13:30頃に着 下山
就寝時間は遅かったものの、皆さん5:30にはすっきりと起床して、朝ご飯をしっかり作って下山することとなりました。当初計画では立山縦走しながらの下山ルートでしたが、多数決で立山縦走はパスし1日目と同じルートで下山となりました。N澤さんは行きたそうな感じでしたが。。。

すっきりと晴れました

立山室堂へ
下山は、N澤さんとM尾さんは先に立山室堂へ進んで、M戸と歩荷に慣れていないI関さんはゆっくりペースで、二手に分かれて行動することになりました。ゆっくりといっても山と高原地図のコースタイム通りなので遅いわけではないんです。N澤さんとM尾さんの歩荷力がすごくてペース早いんですよ〜(^_^;

名残惜しんでいるM戸

立山室堂へ向かう急登
ここ、きついですよね〜
立山縦走はパスしたものの、結果的に計画通りの時間に立山室堂へ無事到着、下山し、お風呂に入って帰路につきました。
<感想>
M戸
ルートファインディング核心でアクシデント多く山の厳しさを感じた山行で、リーダーとして反省点は沢山ありましたが、メンバー全員で協力しながら無事に登りきれた事がとても良かったと思っています。それと実は過去に剱岳山頂をビバーグしたことはありますが、山頂での夕日はそれ以上に特別で格別な空間でした(*^_^*)
北方稜線は、前回よりスムーズに行けたので経験がモノいうことを実感。八ツ峰も次はスムーズに行けそうな気がします。8峰の頭を登っていないので、次はそこが核心になりそうですね。。。
N澤さん
今回、いろいろなトラブルで行動時間が20時間を超える反省点の多い山行となりました。一番はルート確認で、リーダー以外のメンバーも常にアンテナを張って違和感があれば確認しあう重要性を痛感しました。いろいろな問題が発生しましたが、これぞアルパインという感じで、思い出深い山行となりました。教訓を次回に活かして再チャレンジしたいと思います。
I関さん
安全に岩山へ行けるように山の会に入会し、まさかこんなに早く憧れの剱岳に行けるとは思っていませんでした。素人の私が参加していいのかな?と不安でしたが、案の定テントに軽アイゼンを忘れてしまい出発が1時間遅れてしまったり、歩荷力が足りず帰路では足が上がらず亀の歩きで待たせてしまったり…色々ご迷惑をお掛けしましたが、ベテランの皆さんが沢山フォローしてくださり、無事合宿を終えることができました。
初体験のことばかりでとても楽しかったです!更に岩が大好きになりました。
今回学んだことをもっと上達できるように頑張ります!
先輩の皆さん本当にありがとうございました。